大麻(ヘンプ)は麻薬ではありません。人間と地球にやさしい植物です。  - アサノハ asanoha

麻から燃料を取る方法

麻から燃料を取る方法

麻(ヘンプ)から燃料を取る方法には、多種多様な方法があります。
農薬や化学肥料を必要とせず、3か月で3メートルと成長が早く、さらに収量が多く、そして世界中のどこの地域でも栽培できる麻(ヘンプ)は、脱化石燃料・脱原発を担う「エネルギー作物」として注目されています。

【解説: 赤星栄志】

ヘンプシード(麻の実)を燃料にする

麻の実

麻の実には30%の油分が含まれています。これを搾油して燃料にします。
麻の実油の活用には、①食用、②化粧用、③工業用の3つがあります。

工業用としては、古くから麻の実油(ヘンプオイル)が乾性油(かわきやすい油)として知られており、木材の塗料や機械の潤滑油などに利用されてきた歴史があります。しかし、石油化学が発達してから絶滅してしまった分野で、今ではほとんど知られていません。
ヘンプカー・プロジェクト」において車を走らせる燃料も工業用に含まれます。

麻の実を燃料化するには次の方法があります。

  • そのまま利用する …SVO(ストレート・ベジタブル・オイル)
    麻の実油に限らず、一般的に植物油はとても粘度が高く、軽油の粘度を1とすると、BDF(バイオディーゼル燃料)は3、植物油は13です。軽油よりも13倍粘度の高い油を燃料として利用するには、車の燃料系統の改造が必要となります。
  • 軽油に近い状態に加工する …BDF(バイオディーゼル燃料)
    麻の実油にメタノールを15%を混ぜて反応させると、メチルエステルとグリセリンができます。BDFは、このメチルエステルと軽油の代替燃料として使います。
  • 水素添加油
    水素添加というのは、油脂を構成する脂肪酸の不飽和結合部分に水素を付加することをいいます。これによってBDFよりも酸化しにくい油になります。食用油の加工技術の一つでもあり、硬化油とも呼ばれています。

麻の茎(オガラ)を燃料にする

オガラ

ヘンプの茎は、繊維と麻幹(オガラ)で構成されています。
その割合は、繊維が約20~30%、オガラが70~80%となっています。

繊維を剥いだ後のオガラを燃料にするには次の方法があります。

  • オガラをそのまま燃やす 
    日本でもお盆の迎え火、送り火で今でも使われています。
    国の重要無形民俗文化財になっている長野県の野沢温泉の火祭りには、オガラを松明(たいまつ)にして燃やしています。
    中国や他の途上国ではオガラは、焚き付け燃料として今でも利用しています。
  • 麻炭にする
    オガラはミクロン単位の穴がたくさん開いているため、炭化すると多孔質な炭ができます。麻の炭は、昔から爆発力が大きいことが知られており、花火の火薬の助燃剤、線香花火の材料などに使用されてきました。
  • ペレット燃料にする
    麻の繊維を工業的に大量生産すると、原料の10%ぐらいの細かいダスト(塵)が発生します。それをペレット製造機にかけると直径5㎜、長さ20㎜ぐらいのペレット状の固まりになり、ペレットストーブ用の燃料として利用することができます。
  • エタノールにする
    オガラは、主にセルロースと呼ばれる多糖類で構成されているため、これをアルコール発酵させると、エタノールに変換することができます。
  • BTLにする
    ガス化して触媒を通じて合成液体燃料(BTL=Biomass to Liquid)をつくります。
    主に軽油ができますが、触媒を変えることによって、灯油・重油・ジェット燃料・ガソリンにもなります。
  • 発電
    ガスタービンエンジンを使用すれば、オガラを1000℃以上燃焼したガスからタービンを回すことができ、発電に利用することができます。

麻の葉や枝を燃料にする

麻
  • メタン発酵させる
    麻の葉や枝は発酵しやすいことが知られています。
    スウェーデンでは、麻茎をメタン発酵させて、メタンガスを取り、天然ガスの替わりに利用する研究が進められています。



「麻」と「大麻」は同じものです。第二次世界大戦後、GHQの占領政策によって「大麻取締法」が制定されて原則禁止となる以前は、日本では麻(大麻)を栽培することが国家によって奨励され、学校の教科書でも紹介されていました。
石油は何万年もの年月を経て出来た有限の資源ですが、植物である麻は数カ月で生産が出来る無尽蔵の資源です。


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