秋田市、人口減少で居住地の集約化が始まる

秋田

★ニュースより
秋田市中心部で進む再開発 人口減でコンパクトな街へ (日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC282QW0Y1A820C2000000/

「今後人口が減り、税収も細る。行政はこれまで同様の市民サービスを維持するのは難しい」
人口減と少子高齢化を象徴する話です。秋田市は、市の中心市街地に人口を集中させて行政効率を高めるための施策を始めました。
世田谷区の人口密度が1km2当たり約16000人であるのに対して、秋田県の人口密度は約80人です。


一部の層の人たちに田舎暮らしブームがありますが、人が居なかった場所に人が移り住むことによって、そこに電気を供給するために電柱を立てたり、道路や上下水道を整備する、公共施設を新たに設置するなどの必要性が出てくるため自治体の財政負担が重くなります。
そのことによって、自然も破壊されます。
また、発電所から遠方へ電気を送るだけでその途中でかなりの電力が自然消耗するということがあり、人が分散すれば送電効率が悪くなり発電所の増設や原発の稼働が必要になる可能性もあります。
したがって、人の居住場所は出来るだけ都市に集中させたほうが良いということになります。


私は子供時代、東北の農村に住んでいました。社会人になってからは東京や埼玉の大都市部に住み、今は都心まで在来線で1時間ちょっとで行ける距離の中堅都市に移っています。
大都市に住んでいた時は電車やバスといった交通インフラが発達し、生活に必要なものはそばで買えたので、自分で車を所有する必要性は全く感じませんでした。
しかし、やはり地方では中堅都市であっても車を所有しないと生活することが不便です。

そして、東京の人は1キロや2キロぐらいならば平気で歩きます。私も当時はよく街中を歩いていました。
ところが、私が地方へ来て最初に驚いたことは、歩いて5分で行ける場所へ行くのにわざわざ車で移動する人を見た時でした。
目的地がここから見えているじゃないか!と思い、最初は違和感だらけだったのですが、そのうち私自身もだんだん彼らと同じことをするようになり、歩かなくなりました。
地方に住む場合は、自分で畑でもやらないと歩く機会が減り、どんどん運動不足になってしまいます。

秋田市が進めているように、主要駅のそばに人が住む住宅を集中させてショッピングセンターや公共施設を集約すれば、たった1人か2人で移動するために1台の車を走らせてガソリンを無駄に消費する必要がなくなります。
自家用車が無くなれば、歩く機会が増えて運動不足が解消します。
さらに、高齢者による車の誤運転事故もなくなり、過疎地に住む高齢者の見守り問題も解消されます。
またさらに、人が山村から街へ移動してくれば、人が住まなくなった野山に自然が戻ってきます。
このような方向性で社会を構築していったほうが、人間にとってもガイアにとっても優しい環境が作れるのかもしれません。

(やしろたかひろ)