美容と健康に役立つ話題のスーパーフルーツ

アサイー

健康増進に役立つ成分を含む植物の総称を「ハーブ」と言いますが、とくに最近では、抗酸化力など機能性の高い果物が「スーパーフルーツ」と呼ばれて健康食品の展示会などで会場を賑わせています。
最近、話題になっている機能性植物についてまとめてみました。



主な機能性植物

アサイー

アサイーはヤシ科の植物で、アマゾン川流域を原産地とする。高さは25mほどになり、1~1.5㎝ほどの果実が1つの枝に700~900個実る。
果実には、ポリフェノール、食物繊維、鉄、カルシウム、アミノ酸のほかオレイン酸、パルミチン酸などの必須脂肪酸が豊富に含まれている。
100g中に約4,500mgのポリフェノールが含まれ、ココアの約4.5倍、ブルーベリーの約18倍である。抗酸化作用を介したさまざまな機能性が期待されている。

マキベリー

マキベリーは、ホルトノキ科の植物で、南米のチリとアルゼンチンの両国にまたがるパタゴニア地方原産。インカ帝国など先住民族が古くから常食していたとされる。
ポリフェノール量が豊富なスーパーフルーツで、アントシアニン類の中でも特に抗酸化活性が高いデルフィジニン類を多く含む。デルフィニジンはフェノール性水酸基の数が多く、健康機能性が強いことが知られている。ドライアイや網膜疾患予防としての可能性が確認されている。
「マキ」は、マプチェ族の言葉で「濃紫色の小さな玉」を意味する。ポリフェノール、ビタミン、ミネラルが豊富で、抗酸化指標であるORAC値も高い。その外観とアントシアニンが豊富な点から、欧州では「パタゴニアン・ブルーベリー」と呼ばれている。

アセロラ

アセロラはキントラノオ科の常緑低木植物ブラジル北西部を原産地とする
果実にはビタミンCが豊富で、その含有量はレモンの約34倍になる。特に緑色のときに最も含有量が高いといわれる。近年はポリフェノールの抗酸化効果も注目されている。

マカ

マカはアブラナ科の植物で、ペルーのアンデス山岳地帯を原産地とする。マカには、良質なタンパク質、鉄や亜鉛、銅といったミネラル類などの栄養成分を豊富に含むほか、グルコシノレートやアルカロイド、ステロイド、トリテルペン、フェノール化合物、フラボノイド、タンニン、サポニンなどの活性成分の含有も確認されている。
中でもマカの有効成分の1つと考えられているグルコシノレートは。機能性研究では、男性機能向上や持久力向上、抗疲労作用、ヒアルロン酸産生作用、更年期障害改善作用など伝承的薬効を裏付けるデータが報告されている。

キャッツクロー

キャッツクローは、科カギカズラ属の植物でペルーの中央アマゾン地域を原産地とする。キャッツクローには、インドール系のアルカロイド17種類の含有が確認されている。そのうち、イソテロポディン(ペンタサイクルオキシンドールアルカロイド)が免疫賦活物質の候補として挙げられている。伝承的や薬効には、免疫力増強作用、抗炎症作用、鎮痛作用などがある。国内外で研究が進められ、動物実験や臨床試験などでこれらの薬効を裏付けるデータが多数報告されている。

エルカンプーレ

エルカンプーレは、リンドウ科の多年性双子葉植物ペルーのアンデス山岳地帯などの寒冷な荒地で成育している。プレインカ時代から伝統的な薬草として利用される。含有成分には、フラボノイド類、サポニン、セコイリドイド配糖体、ゲンチアニン、ゲンチジン酸、アルカロイド類、タンニンなどが確認されているが、特にキサントン系化合物の含有が多く、これまでに6種類のキサントン系化合物が同定されている。
伝承的や薬効としては、抗慢性胃炎、消化機能改善、胃痛の軽減、肝機能再生、抗糖尿病、血圧上昇抑制、肥満解消、脂質代謝改善などが知られる。また、薬理試験により、善玉菌増殖促進効果があることが確認されている。

サチャインチ

サチャインチ(インカインチ)はトウダイグサ科の蔓性植物で、ペルーのアマゾン地域原産。約10年の寿命をもち、高さ2mまで成長する。実は5ヶ所ほどのふくらみをもつ星型。
種子の中には白い色をしたナッツが入っている。「インカのピーナッツ」とも言われ、現地ではオイルの原料として利用したり、ナッツとして食べたりする習慣がある。必須アミノ酸、α-リノレン酸・リノール酸・オレイン酸、ビタミンEを豊富に含む。

カムカム

カムカムはフトモモ科の植物、アマゾン川流域に自生している。
カムカムの果実には100gあたり2,800mgもの天然ビタミンCが含まれるとされ、アセロラの約2倍、レモンの約60倍である。ポリフェノールも豊富。カムカムの機能性については、抗酸化作用を介して、様々な機能性を発揮することが示唆されている。

ノニ(モリンダシトリフォリア)

ノニはアカネ科の薬用植物で、赤道付近の南国地域で自生する。英名を「インディアンマルベリー」、和名を「ヤエヤマアオキ」という。
ノニには、果実、葉、茎、根のあらゆる部分に有効成分が含まれ、タンパク質やビタミン、ミネラル類など100種類以上の栄養成分が含んでいるいわれている。このように栄養価が高いため、数千年前から治療薬として広く使われていた。

ガラナ

ガラナはムクロジ科の植物で、アマゾン川流域を原産地とする。高さは10mを超えるものもある。種子にはカフェインやタンニンが豊富に含まれている。
アマゾンの先住民は、焙煎した果実を水と混ぜてペースト状にし、滋養強壮、下痢止めなど薬用に利用している。

紫イペ

紫イペは、ノウゼンカズラ科の植物で南米熱帯雨林を原産地とする。インカ帝国の時代より「神からの恵の木」と崇められ、先住民は大腸炎、貧血、呼吸器障害、風邪、咳、喘息、真菌感染症、熱、マラリア、リウマチなどに有効な薬用植物として内部樹皮を煎じて飲用していた。内部樹皮にはフラボノイド、天然色素成分のキノン類、トリテルペンなどを含有する。

ムイラプアマ

ムイラプアマは「性機能を増強する木」として知られているアマゾン熱帯雨林とブラジル北部原産の高さ5m程の低木である。
先住民部族は、ムイラプアマの若木の根と茎を強壮剤として、神経筋肉の不調の治療に用いているという。

チェリモア

チェリモアはバンレイシ科の果樹で、南米ペルーを産地とする。果肉はイチジクなどのように白く柔らかなクリーム状で黒い種子を持つ。別名「森のアイスクリーム」とも呼ばれている。
食物繊維、鉄分、カルシウム、タンパク質、ビタミン類などの栄養成分を含み、特に鉄分、ナイアシンを豊富に含有する。

パスチャカ

パスチャカはフウロウソウ科の植物で、ペルーのアンデス山脈地帯に生息する。民間伝承的に血糖値を低下させる作用が知られ、糖尿病治療薬として用いられている。

ゼラニウムディエルシアナム

ペルーのアンデス山系高地などに自生している。
古くよりお茶に煎じて飲む習慣があり、糖尿、浄血作用、慢性の下痢、小児コレラ、のどの炎症、口内炎の改善などの伝承的薬効が伝えられている。

ヤーコン

ヤーコンはキク科植物で、南米アンデス高原原産の。地下部にサツマイモに似た塊根ができ、インカ帝国の時代から食用とされていたという。
根茎部はナシのような食感でフラクトオリゴ糖を豊富に含む。葉の部分も若く柔らかい時期ではそのまま、あるいは調理して食されている。
抗酸化、脂質代謝改善、食後血糖値の上昇抑制、整腸作用などが期待できる。

バオバブ

バオバブは名作「星の王子さま」に登場する木として知られ、樹齢千年に達するアフリカの巨木である。食物繊維、ビタミンC、カルシウム、アミノ酸、ポリフェノールなどを豊富に含む。

アムラ

アーユルヴェーダで利用され、インドや台湾、中国で健康果実として数千年前から食されてきた。多量のポリフェノール類とビタミンCを含有し、“若返りの葉”とも称されている。

ゴジベリー(クコの実)

9種の必須アミノ酸を含めた18種類のアミノ酸のほかゼアキサンチン含有量が多い中国産果実。近年、米国を中心に抗酸化作用で注目されている。

エルダーベリー(セイヨウニワトコ)

主に北米、ヨーロッパに広く産するスイカズラ科ニワトコ属の落葉低木。
古くから食用として利用され、果実はビタミンA、ビタミンC、アントシアニンや、フラボノイドが豊富。

カシス

カシスは栄養素が豊富なことから「ベリーの王様」と呼ばれる。
カシスアントシアニンの4種類の成分のうち、D3R・C3Rの2種類はブルーベリーに含まれない特有の成分であり、この成分は、眼精疲労や末梢血流を改善することが証明されている。
機能性としてはこれまでに、眼精疲労の改善、近視化抑制、緑内障進行抑制効果などが報告されている。

(編集室)