福田カレンのエネルギー栄養学

vol.12 誰でも無料で手に入れられる万能薬

今回は、私にとっては当たり前すぎて、特に人に話すことでもないように思っているけれど、見ようによってはかなり変態的なのかもしれない「尿療法」についてお話ししたいと思います。

不食に興味のある方は、「太陽凝視」とセットで「尿療法」をすると食欲が抑えられる、というような話を聞いたことがあるかもしれません。太陽凝視とは、裸眼で太陽を見つめる健康法で、日の出直後、日の入り直後とできる時間が限られているため、続けるのはなかなか難しいかもしれません(私も一時試してみて、体感はとてもよかったのですが、続きませんでした)。
一方の尿療法は、自分の尿を飲むだけですから、誰でも、いつでもできます。もしハードルが高いとしたら、気持ちが悪いとか、汚いといった心理的な要因でしょう。確かに、尿は食べたものの味が如実に反映されますから、添加物のたくさん入った食事をしていたり、薬を飲むことが習慣になっていたりすると、気持ちが悪いのも当然かもしれません。どんなものを体内にとり込んでいるかは、自分が一番よく知っているわけですから。
尿には「排泄物」というイメージが付きまといますが、言ってみれば汗や鼻水と同じです。生成のプロセスを考えれば、血液をつくる際の余剰が体外に排泄されたものであって、決して汚くはありません。アーユルヴェーダには、自分の血液を利用する療法がありますが(眼の病気に血液を点眼するなど)、血液を使わずとも、成分の似た尿を使うこともあるようです。

尿を内服したり、肌に塗布することの効能に関する研究は数えきれないほどあります。エイズやガン、糖尿病やB型肝炎、鬱や肥満、傷にまで効果があるのです。万能薬としての尿の効能は、古代エジプト、古代中国、古代インドの時代から知られていますし、17世紀フランスの貴婦人たちは、美容のために牛の尿を集めて入浴していたそうです。現代のアメリカでは、ポータブルトイレのメーカーと製薬会社が組んで尿を集め、医薬品の成分に利用しているとか(不特定多数の他人の尿を飲むくらいなら、自分の尿で間に合わせておく方がずっとマシな気がします・・・)。
人間の健康を保つための普遍的な方法として、日光に当たること、きれいな空気を吸い、きれいな水を飲むことがあげられると思いますが、自分の尿を飲むこともそれらと同じくらいに基本的な健康法なのだと思います。

尿にはなぜあらゆる症状に対して効能を持つのでしょうか。尿に含まれる薬理成分は、尿素、タンパク質、抗体やホルモンなどですが、なぜこうした成分が排泄されるかといえば、身体は「量が最も少ない物質」を基準とした成分しか利用できないからです。
栄養素の例で説明しましょう。たとえば、ビタミンCを生体が同化(細胞にとり入れること)して利用するためには、その他の一連の栄養素があってはじめて、代謝することが可能になります。本当の意味でビタミンCを「身体の一部」とするためには、何十、何百もの他の栄養素のサポートが必要なのです。「精製食品より、ホールフード(全体食)の方が健康によい」というのはなぜかというと、自然な形の植物には、この「一連の栄養素」が全て含まれているからです。ある栄養素を代謝するために必要な一連の栄養素が、パッケージになって1つの植物に含まれているのです。
逆に言えば、いくらビタミンCだけを大量に摂取したところで、代謝に必要な他の栄養素が少なければ、一番少ない栄養素の分しか利用されず、他の栄養素の余剰は体外に排泄されてしまいます。

この、「体外に排泄された栄養素」を再利用するのが飲尿です。そのため、飲尿を続けていると、あらゆる栄養素や成分のストックが徐々に増えていき、最低線が上がっていきます。そうして利用できる栄養素や成分が増え、全体的な健康状態が改善するのです。

エネルギー栄養学の視点から見ても、飲尿には大きな利点があります。自分の一部として同じヴァイブレーションを持っていたものを、捨ててしまわずにまたとり込むことは、自分という個の強化にもつながります。

<尿療法のやり方>
① 朝一番の尿を飲む(少量から始めるとやりやすい
② 病気の治療など、本格的に取り組みたい場合は、ファスティングしながらすべての尿を飲む
③ お風呂に入った時などに、肌に塗る(傷、水虫、美肌などに効果あり)

羊水

*画像は さゆふらっとまうんどのHP さまよりお借りしました*

(2018.12.16 福田カレン) プロフィール