男女の理想的な関係、パートナーシップとは?

カップル

男性と女性では体の造りが違うだけではなく、思考のパターンも違います。理想の関係を築いていくためには、このへんを把握しておくことも大切です。

男性性と女性性の基本的な性質

男女平等という観点から、欧米と比べて日本には昔から男尊女卑の傾向が強い文化があったと言われることがあります。
しかし、男性と女性との間には生物学的に明らかな違いがあります。男性には女性のように子供を産むことは出来ませんし、女性は男性のように力仕事は出来ません。
日本では、男性には愛する妻や子のために自己の命を盾にするという武士道の精神がありました。子供を産み育てることが女性の役割であり、敵と戦って死ぬことが男性の担当でした。
日本人ほど、男性性と女性性の役割の違いを意識してきた民族はなかったのです。

   項  目      男性性      女性性
人付き合いの傾向一匹狼・社会的目的達成のための人間関係井戸端会議・精神的な繋がりを求める人間関係
思考の傾向分析的・行動的・能動的直観的・感情的・受動的
活動の傾向社会活動優位精神活動優位
社会における役割遂行者・革命家・戦士遂行者・革命家・戦士に対して精神的な援助を与える
パートナーに対する役割物理的に相手を守る目に見えない生命力を与える
自己実現の仕方社会的成功精神的目標達成
バランスが崩れると世の中はどうなるか(男性性に偏ると)物理的対立(女性性に偏ると)感情的対立
バランスが整うと世の中はどうなるか文明と精神性の同時進化、融和、共栄、弥栄の世

動物の性と人間の性の違い

人間の三大欲求は「食欲」「性欲」「集団欲」であると言われています。
この中で集団欲とは、「人と精神的に関わりたい」「集団の中にいたい」「孤独は嫌だ」という欲求のことです。
「性欲」は子孫を残すために備わっている生物全体にある本能ですが、人間の場合には性欲と集団欲とが絡むことによって高度な「性」になります。
人間の営みの中で行われる「性」は、単なる生殖のため、単なる快楽のためだけの関係ではなく、互いを開き、新たな可能性を開いていく関係を育んでいくことです。それは、他の動物よりも脳が進化した人間が奏でる「いのち」のアートでもあります。

縦の糸はあなた、横の糸は私

画像の説明

糸は、丈夫な糸ならば1本でも十分に存在価値があります。セーターは1本の毛糸で編みますし、物を束ねる時の紐も1本です。麻糸は半端なく丈夫です。
人生の中で出会う相手は、自分と絡み合うもう1本の糸として、自分の人生をより強くより太くするために活用するものです。

そのように定義すると、理想的な男女のパートナーシップのあり方とはこうなります。

「男女の理想的な関係とは、自分がより幸せになるために相手を活用し合う関係である」
「男女の理想的な関係とは、自分の夢を叶えるために相手を活用し合う関係である」
「男女の理想的な関係とは、新たな自分の可能性を産み出す関係である」

誰にでも短所がありますが、パートナーと良い関係になるためには、相手の全人格を受け入れる必要があります。
相手の欠点を治してやろうなどと考えたら自分が疲弊するだけですので、相手の欠点も自分のために活用させてもらうぐらいの気構えが必要です。

逆に、相手に尽くすだけの人と相手から奪うだけの人との関係になってしまうと不安定になります。
その意味でも、ダメ男やダメ女をパートナーにしないように心がけたいものです。丈夫な糸も、腐った糸と絡み合えば、両方とも腐ってしまいます。
丈夫な糸とは自立している人のことです。相手がそうでないと分かった時には、執着せずに別れる選択肢を考えたほうが良いでしょう。
人間が糸と違うのは、腐っていてもいずれ再生する可能性があることです。別れてあげることによって、それが相手にとって再生のきっかけになる場合もあります。

内助の功

中部大学・武田邦彦教授の説明によると、人間の男性の性欲は女性から誘われて出てくる誘導型性欲だと言います。そして、男女間の愛情は性欲と表裏一体だと言います。
男性は女性に誘導され、精神的に支えられることによって、良く働き、妻や子供を大切にしたいと思うようになります。そういう意味で、人間の女性には男性をコントロールすることが出来る性質が備わっていて、男性を生かすも殺すもパートナーの女性次第という側面があるのです。
このことが、「内助の功」という言葉の科学的な意味なのかもしれません。

(やしろたかひろ)