武田邦彦コラム

感謝と健康

健康と命には二通りあります。
ひとつは、人間は機械ですから、材料の間違いとか設計の間違いとか作り間違いっていうのがある。
しかし、それが少ない時、自分の健康も命も周りが決めるんじゃないかと思うのです。

周りの人が、武田もういらないよ、と思えば私は病気になり命が尽きるのではないかと思うのです。
どうも生物というのは生物自身が生きているのではないと感じます。
動物の場合にはそれが本当にはっきりしていて、群れの中で必要でなくなった動物はすぐ死にます。

じゃあ、周りはどういう決め方をしているかというと、その人が居た方がいいと思う人の数と感謝の心、それで決まってるんじゃないかと思うのです。
他人が感謝してくれるようなことを私がやる。感謝してくれることによって私の防御系が働く。それで私は長寿になる。科学的に言えばこういうことでしょう。

人間というのは自分が良ければというふうになりがちですが、他人が良ければということをすると自分が良くなる、という二段階が必要なのですね。
学生なんかにはよく、ギブアンドテイクだぞ、ギブが先だぞ、テイクから先にしちゃいけないよ、まず他人にしてやれば、他人はあなたにしてくれるよと言っています。

まず家族が自分を感謝する。そのために自分が家族に与える。次に友達とか職場とか。さらに言えば社会に与える。そうすると向こうからテイクが来る。
アメリカの統計なんかで割合はっきり出ているのですが、社会に貢献している人はやはり長寿です。

50歳以上の男性が相手から感謝されるという状態を作るのが一番難しいと思います。
女の人は、子供を生めば子供がお母さんを感謝してくれます。おばあちゃんになってもやはり女性は優しくて他人の世話をしますから、皆が感謝してくれます。
男は若いころはハッスルしてなかなかいいんですが、50歳過ぎると威張ったりします。

(2017.08.25 武田邦彦) プロフィール