福田カレンのエネルギー栄養学

vol.8 理想体重を無理なくキープし続ける食事

サラダ

理想体重から逸脱してしまう2つの理由

薄着の季節ということで、今回はエネルギー的に見たダイエットについて書いてみたいと思います。ダイエットといっても「体重を○○kgまで減らす」というのではなく、個々人にとっての「理想体重を、無理なくキープし続ける」ことが目標と考えていただきたいと思います。

まず、肥満やメタボの原因は言うまでもなく食べ過ぎです。なぜ食べ過ぎてしまうかと言うと、理由は2つあると思います。

① 身体のニーズではなく感情のニーズで食べてしまうこと
② 身体のニーズではなく思い込みに従って食べてしまうこと

1番目については、これをやらない現代人は1人もいないと思いますので、程度問題ということになりますが、女性に多い傾向があると思います。というのも、女性は感情がとても豊かで、感情と自我が一体化している場合が多いことから、感情の浮き沈みが食べる量に直結してしまうからです。うれしいことがあればご褒美として食べ、嫌なことがあれば自分を慰めるために食べる、というように。
感情と自我が一体化している方が、自分ではなかなかそのことに気づきにくいように思います(「感情が豊か」というのは「母性が強い」というのと同義語でもあり、特に女性にとっては大切な資質だからかもしれません)。当たり前ですが、感情を持つことがいけないのではなく、感情が全てではないのに、感情のエネルギーに巻き込まれ過ぎてしまっていることが問題なのです。豊かな感情表現は、女性特有の美点として大切にしていただきたいと思います(私じしんはこのタイプではないため、余計にそう思います)。ただ、大人の女性としては、感情をコントロールする術を知っておくことは役に立つと思います。

2番目については、理性が強いタイプに多いかもしれません。「1日3食」「1日30品目」「タンパク質をしっかり撮る」「頭を働かせるために朝食を必ず食べる」など、一般に「健康的」とされていることを信じ、自分の身体と相談せずに実践するのです。思考を自我だと思っているタイプと言えるかもしれません。
「人間は食べないと死ぬ」という思い込みの1つですから、代謝が衰えているにもかかわらず、若い頃と同じ食事を続けることは当たり前ではないことに気づいていただきたいと思います。極端な例かもしれませんが、体育系の部活をしていた高校生の頃と同じ食生活を、40歳になっても続けていたら太るのは当然です・・・歳を重ねるにつれ、生活スタイルの変化につれ、仕事内容が変わるにつれ、必要なエネルギーも変わります。食事の内容は折に触れ見直す、一般的に健康的と考えられている方法が自分に合うかどうか、自分の身体で確かめる、そんな合理性、柔軟性も持っていただきたいと思います。

対策は?

ここからは、それぞれのタイプの方が理想体重をキープし続けるための対策を考えてみたいと思います。

まず最初のタイプの方は、感情と自分を一体化させず、感情を冷静に、客観的に観察する「もう1つの視点」を持てるようになると良いと思います。ハートに渦巻く感情のうねりが自分なのではない、そのことに気づくだけでも、感情をコントロールする余地が生まれます。そのことが「感情のアップダウン→食べる」という連鎖を断ち切るきっかけにもなります。ご褒美をあげたり、慰めたり励ましたりしたいのであれば、ネイルを整える、良い香りの入浴剤を入れてお風呂に入る、パックをするなど、美に関わることがいいように思います。男性の場合は・・・女友達とデートの約束を取り付けてモチベーションにするというのはいかがでしょうか。

2番目のタイプの方は、まずご自分の身体の感覚を感じてみてください。頭が重くないか、肩が凝っていないか、胃が疲れていないかなど。食事の時は、食べるものによって体感の違いはないか観察してみてください。また食べた後に眠くなるのは、身体に合っていない証拠です(男性は体力があるだけに、ちょっとした不調なら無理してやり過ごすことができてしまいます)。「時間になったから食べる」というのも身体の声を無視することですので、できれば避けたいところ。身体のニーズと合致しない食事は、身体に負担をかけています。代謝が衰えるに従ってどんどん負担は蓄積されていき、蓄積の結果がメタボや体重増加です。

ボディ、マインド、スピリットの一致

このコラムでは何度もお話ししているかと思いますが、私たちの物質的側面である肉体と、エネルギー的側面である感情やマインドは別々のものではなく、分けることのできない1つのものです。ですから、食べたものが感情に影響を与えることもあれば、魂やハイヤーセルフを喜ばせることもあるのです。だとすれば、マインドの状態が肉体の好不調に反映させるのもまた当然のこと。ボディ、マインド、スピリットを「部分的に重なった3つの円」ではなく「完全に重なった1つの円」として、エネルギーが自由に循環していることをイメージしてみてください。さらにその円(=場)は自分1人の場として閉じているわけではなく、仲間や職場、社会、地球、太陽系・・・などとも共有されているオープンな場です。

最期に「健康的で、理想体重をキープし続けることのできる食事」とは、究極的には「食べたいものを食べたいだけ食べること」以外にはありません。ただ、ボディ、マインド、スピリットの円がぴったり1つに重なっていないと(つまり、感情に重点が置かれ過ぎていたり、身体の声を聴くことができなかったりすると)、突出したどれかのエネルギーに導かれるようにして食べてしまいます。しかしもし、エネルギーが完全に調和した私という場が、広大で深淵な場とエネルギーのやり取りができたなら。やがて食べものというエネルギーに依存せず肉体を維持できるようになるかもしれません。

<今月のレシピ>
エネルギーをバランスさせて、食べたいものを食べたいだけ食べる!やがてそれが不食につながっていく。

(2018.8.17 福田カレン) プロフィール