ヘンプカー・プロジェクト

ヘンプカー

持続可能な社会の提案のために、麻の油で車を走らせています。

搾油機

ヘンプカープロジェクトは、2002年にはじまり、2011年から専用車を導入して本格的に稼働しました。
海外から輸入した麻の実からスクリュー方式の搾油機を使ってオイルを絞ります。10キログラムの麻の実から約2リットルのオイルを搾ることができます。1回濾して不純物を取り除くと燃料として利用できます。その排気ガスは環境と人体に優しく、嫌な匂いはありません。
今話題の電気や水素と比べて、ヘンプオイルは素人でも簡単に製造できます。この車では車内でオイルを製造しています。水素のような危険性もありません。

各訪問地で行われるヘンプカー・イベントでは、実際に油を搾って走る様子を公開します。また、全イベントでマルシェ(ヘンプグッズ販売会)があります。

☞ ヘンプカー訪問地のスナップ写真が公開されています。

日本では昔から、大麻草のことを麻(あさ)と呼んでいました。英語ではhemp(ヘンプ)と言います。麻からは天然の良質な繊維や栄養豊富な食材、生薬の原料が取れます。最近では麻の実やオイルがスーパーフードとして世界中で話題になっています。
さらに、最近の研究によって、麻の花穂や葉に含まれる薬効成分が様々な難病を治療する薬になることが判ってきており、医療大麻として注目されています。
戦後に大麻取締法がGHQの方針で禁止される以前は、日本では麻を栽培することが国家によって奨励されていました。


ヘンプカーとは?

ヘンプカーと呼ばれるものは、大きく分けて2種類あります。
1. ヘンプの種子や茎から搾った油を燃料として走る車。
2. 車の内装材や外装材にヘンプの茎を使用している車。

このプロジェクトに使用しているヘンプカーは前者になります。

私たちのヘンプカーは、ただのヘンプオイルを燃料として走る移動車ではありません。
車中には緊急時の発電や搾油小屋、さらに食品工場のような機能も持ち合わせています。
排気ガスは大気を汚さず、むしろ空間をクリーニングします。

進化するヘンプカー 

中山康直

未来の乗り物は、畑が燃料スタンドになる!

今僕たちが動かしているヘンプカーが2013年に進化を迎えました。
それまでは賞味期限切れの食用の麻の実油をメーカーから譲り受けて使っていましたが、搾油機で麻の実を自分たちで搾りながら走ってみたら燃費が良くなりました。その搾りかすは、栄養バランスの良い食用になります。
さらに種で走る車になったら、ガソリンスタンドではなく、畑と田んぼが燃料スタンドになることに気づいたのです。
そうなると、車の燃料費を農家さんに還元できる。そうしたらその土地が蘇ってくるなと思いました。

ガソリンスタンドで海外から輸入している化石燃料を買ったら、その代金のかなりの部分を税金で持っていかれて、その一部で武器が作られて誰かが死んでいるとしたら、ヘンプカーの活動がこの悪循環を断ち切る可能性があることに気づいてしまったのです。
それ以降、日本の地域復興を目的としてヘンプカー・プロジェクトを継続させていただいております。

2016年4月20日、カナダではヘンプ・プレーンが飛びました。全長12メートル4人乗りの飛行機です。
機体の75%が麻の茎から作られていて、麻の燃料で飛びます。

災害に強い社会づくりは環境とマッチした社会づくりである必要があり、それには地下資源ではなく地上資源を使っていくことです。
ライフラインがストップしてしまったら、ガソリンスタンドで燃料が買えません。食糧も買えません。しかし、麻を栽培していれば自らの畑から絞れば燃料ができるし、その副産物を食べることができるのです。

ヘンプカー・プロジェクト代表クルー 中山康直

ヘンプカーQ&A

ヘンプオイルでどうして車が走るの?
植物油の一種であるヘンプオイルを加工して軽油化します。軽油で動くディーゼル車なら何でも動きます。本企画ではキャンピングカーの燃料として活躍。

軽油との違いはあるの?
軽油に比べて、酸性雨の原因となる硫黄酸化物を出さず、呼吸器障害の原因となる黒煙が3分の1以下と環境に優しい燃料です。

ヘンプカーを走らせるねらいは?
純植物オイルである麻の実油100%で走る車が日本各地を訪れ、石油、石炭、天然ガス、原子力等の枯渇性地下資源エネルギーに代わる再生可能なエネルギーについて、また一般的にほどんど知られていないこの植物の多様性と可能性について、各種メディアを通じたアピールを実施します。





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