武田邦彦コラム

離婚と不倫が多い原因を生物学的に考える

昔は、女性の仕事は子供を産み育てるということで、男の仕事は戦争に行ったり盗賊から家族を守るために死ぬことでした。
男は、戦って死ぬこと以外に生きている意味というのはほとんどありませんでした。
これは生物界全体がそうです。例えば魚でもメスだけの10匹の集団がいたらそのうち1匹がオスに性転換して群れを守る。そのオスはやがて戦いで死にますから、残った9匹のうち一番体の大きいメスがオスに転換して群れを守るというのが生物の原理原則なのです。
日本人も太平洋戦争まではその原理原則に沿っていました。しかし、今の男は死のうとしないで威張っている。これが、離婚と不倫が多い男性側の原因のひとつです。

生物は普通はオスに性欲があってメスが受け手です。だから、オスは自分の子孫を残すために何とかしてメスを誘おうとするわけです。そのために、動物はオシドリでもクジャクでもゾウでもライオンでもオスのほうが見た目に立派で魅力的です。
かつて人間もそうでした。しかし、200万年前と言われていますが、頭脳が発達して男の性欲が衰えてきます。ここで男は本質的な性欲から誘導型性欲に変わったのです。
誘導型性欲というのは、メスが誘ってオスの性欲が出てくるというパターンです。
そこで女のほうが工夫するようになりました。女は化粧をし始めて、男から誘われるような性格、たとえば恥じらうようになったり、引っ込み思案になったりし、男がそれに釣られて性欲が湧いてくるという構図になりました。

最近の女性は結婚をする時にはだいたいこのように誘導するのですが、子供が生まれると錯覚してしまうわけです。夫の前で自分をきれいに見せることをしなくなり、言葉遣いがぞんざいになり、恥じらうことも無く、そこらへんに丸太のようにごろごろしている。そうしたら、夫は誘導型性欲が湧かなくなってしまいます。
男女の愛情というのは性欲が基本です。性欲が湧かなくなれば、同時に愛情も失われていきます。だから第2子が生まれません。女性が誘導する性欲なのですから、女性が作戦的にならなければどうにもならないのです。
これが、離婚と不倫が多い女性側の原因です。

草食型男性が出てきたのも女性の誘導失敗です。男は性欲が湧かないとだんだん暗くなり女々しくなってきます。
女性は化粧をし、男性を頼りにしているようなふりをしていればいいのです。
もし離婚をしたければ、子供に向かってお父さんの悪口を言っていればいい。
誘導するのは女性なので、ある意味では女性が男性の人生をコントロールできるわけです。

(2017.09.22 武田邦彦) プロフィール