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東北と麻とのつながり -ヘンプカープロジェクト -ヘンプでエコロジー生活「アサノハ」

東北と麻とのつながり

第二次世界大戦前は、日本中どこでも大麻草が栽培されていました。
特に東北地域は、衣服の原料となった綿花が栽培できないことから大麻草は貴重な衣服原料として用いられてきました。

青麻神社

東北再発見まつり2013で訪問する県の大麻草の栽培面積

昭和14年
(1939年)
昭和30年
(1955年)
山梨18.92.4
長野1013.3366.0
新潟321.757.9
山形27.61.0
秋田58.00
青森321.410.2
岩手396.4150.0
宮城28.11.1
福島73.019.0

単位:ヘクタール
出典:長野県大麻協会「大麻のあゆみ」1965,p.26


織物の世界で有名な原始布・古代織参考館があるところ(山形県)

米沢に生まれ米沢産地織物に携わってきた山村精(まさし)氏が、昭和40年頃から日本の原始布や古代織物の復元と存続に取り組み、その時の参考にした資料を展示した私設の資料館です。大麻布だけでなく、シナ、フジ、カラムシ、クズなどの様々な古代織物があるところです。
原始布・古代織参考館
山形県米沢市門東町1丁目1-16
http://www4.ocn.ne.jp/~gensifu/index.htm

花火で有名な大曲市は大麻刈だった(秋田県)

全国有数の花火競技大会のある大曲市。秋田藩士石井忠行による『伊頭園茶話』に「享保十五年(1730年)に大麻刈を大曲に改めた」と記されています。
地名だけでなく、花火の火薬の助燃剤に大麻草の繊維をはがした後の茎(オガラ)を炭化した麻炭が使われています。今では、麻が少なくなったため、参加する花火業者のすべてが国産の麻炭を使っているわけではありませんが、麻炭を入れると綺麗な残像効果を狙ったり、大きな爆発力を得ることができるので、花火を大きく見せることができます。

東京で津軽地方の大麻布が見られるミュージアム(青森県)

縄文時代の三内丸山遺跡からは大麻草の種子と繊維が発見されていることからも、この地域では綿花が栽培できなかったため、戦前までは麻布を大事に着こなしてきた生活文化があったのです。
その最高峰が民俗学者の田中忠三郎が長年にかけて収集した麻布です。国指定重要有形民俗文化財含む、3万点以上の骨董、古民具、衣服などの貴重なコレクションを個人所有しており、その一部を芸能プロダクションであるアミューズがプロデュースする東京の浅草に展示してあります。
2009年にオープンしたこの資料館は、とても評判がよく、麻布の展示を通じて本物のエコとは「人を愛する気持ち」の意味を実感することができます。
常設展・麻布のパッチワークBORO展がオススメです。
http://www.amusemuseum.com/boro/index.html

幻の豆腐袋と幻の麻織物(岩手県)

麻積み

東北では糸をとった植物はすべてアサといい、麻のことを”いと”と呼んでいました。
「わがかくし念仏」という本の「おなごだぢのあさ」の章では、麻の栽培から加工や風習についての昔の様子がユーモアたっぷりに紹介しています。
「あそこのおばあちゃんが織った麻布でつくった豆腐袋で豆腐を作ると最高に美味しい!」
そんなエピソードを残す久慈市の麻。今では廃れてしまったが、地元の郷土研究会がその工程を丹念に記録した映像と資料はとても見ごたえがあります。また、第二次世界大戦終戦後に廃れてしまった雫石の亀甲織という麻織物を1967年に復元した取り組みは、現在でも続いています。

青麻神社と人間国宝がいた栗駒麻布(宮城県)

宮城県仙台市宮城野区にある青麻(あおそ)神社は、国内でも希有な太陽・月・星の三光神を 一緒にお祀りしています。神紋が麻の葉であることが大きな特徴です。
栗駒町では、麻の栽培から糸績み、手機による織り、藍の栽培から古来の特殊な藍建てによる染めまでの作業を一貫して取り組んでいた栗駒正藍染(くりこましょうあいぞめ)があります。
故・千葉あやのさんは、1955年に重要無形文化財「正藍染」の保持者に認定(人間国宝)されています。
青麻神社
http://www12.plala.or.jp/aosojin/

からむしと麻・織姫体験生「織姫・彦星」の里(福島県)

福島県の会津地方にある昭和村は、周囲を1000m級の山に囲まれた農村です。ここでは新潟県の小千谷縮や越後上布という麻織物の原料としてからむし(苧麻)を換金作物として栽培し、今でも出荷しています。一方、自分たちの着る衣服は、麻(大麻草)を栽培して糸を績んで織物にしていたのです。それを村おこしに活用したのが織姫体験制度。1994年から毎年体験生を受け入れ、からむしの栽培から織りの技術習得をベースに村の生活をまるごと体験してもらうプログラムは大変好評であり、今では麻織物の世界でたいへん有名な村になっています。
昭和村ーからむしの里ー
http://www.vill.showa.fukushima.jp/

参考文献

田中忠三郎. サキオリから裂織へ,田中忠三郎,2008,114p.
田中忠三郎. 物には心があるー消えゆく生活道具と作り手の思い魅せられた人生.アミューズエデュテイメント.2009,197p.
伝承を紡ぐ<亀甲織>雫石町,2005,32p.
村田陽子,遠藤時子,斉藤洋子.岩手県における麻の利用について.民俗服飾研究論集.1995,8,p.33-41.
村田陽子,遠藤時子,斉藤祥子.青森県の麻について.民俗服飾研究論集.1996,9, p.23-32.
遠藤時子,村田陽子.秋田・山形県における麻の利用について.民俗服飾研究論集.1996, 9,p.13-21.
松田知子,遠藤時子,村田陽子.宮城県の麻について.民俗服飾研究論集.1998,11, p.33-38.
村田陽子,遠藤時子.福島県の麻について.民俗服飾研究論集.1997,10.p.25-36.
中屋重行他. 中屋弘子業績集‐岩手の農民服と南部家伝来衣裳‐. 中屋重行. 1984.
小川久美子・小林久美編『からむしと麻・昭和村資料集』民族文化映像研究所、1988年,16p.
阿伊染徳美.わがかくし念仏.思想の科学社.1977,p.137-188.
記録映画『からむしと麻-福島県昭和村』民族文化映像研究所、1988年
記録映画『山根六郷の四季-麻(いど)と暮らし』山根六郷研究会、1985年


文責:赤星栄志



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